227. 歩くおぬま(5)

2月4日の記録(後編)
「生きる輝き」

おぬまは歩く。

行きと違って、帰りはいろいろなことを考えながら歩いた。

そのどれもに共通しているのは、「生きることについて」の考えだということ。

自身の生活をいくつかのカテゴリーに分けて振り返る様子は、前回の記事に書いた。

その後、最近読んでいる本や、ふとしたときに頭の中で流れだす曲についても考えた。

今回は、それらの話をしていきたい。

「宮本武蔵」を再読

何度目だろうか。最近、久しぶりに吉川英治の「宮本武蔵」を読んでいる。

前回読んだのは、ちょうど1年くらい前のことだった。バイトに出かける直前に読んでいて、「もう出ないと遅刻するぞ」というギリギリまで読んでいた。

それは、たまたまそのとき、武蔵と小次郎の決闘という、いちばん熱いラストの部分を読んでいたからだった。

初めて読んだのは

最初にこの作品を読んだのは、たしか14歳のときだった。

当時は竹刀を毎日振っていたので、そういう面から考えるとそれなりに馴染みやすい話ではあった。

しかし、人間の一生の何たるかについて、深く考えることはあまりなかったので、その内容をどれだけ理解して読んでいたかは甚だ謎である。

あれから6年以上の歳月が流れた。

生きる上でのヒントを多く得ている

人生は時に、都合よくできているもので、日々悩み、追い求めていたものが読書によってふと解決することがある。

「そうだ、知りたかったのはこのことなんだ」

本を片手に、そう叫びだしたくなるときがある。

昨年末、「何かをしたいが、何をすればいいかわからない」と悩んでいたときに岡本太郎の本を読んだ時にも、同じ感覚を味わった。

さて、「宮本武蔵」。

この物語は、主人公の宮本武蔵が17歳のところからスタートする。その時点で、初めて読んだ14歳のときには理解が難しかっただろうと思い返すのだが、

20歳となった今では、17歳の武蔵の心情も、いくらかわかる。

関ヶ原の戦いの後、紆余曲折を経て、およそ3年間姫路城の天守の一間で書物を読んで暮らす武蔵。

21歳になってそこから出され、武者修行として諸国を歩いて回ることになる。

ここから先の武蔵は、近い未来の自分でもある。

年齢的にも近いし、年末来体を鍛え始めたのもあってか、近頃の自分が考えていることと同じようなことを、物語の中で武蔵も考えていることが多い。

詳しい話はいつかするとして、とにかく最近読んでいる「宮本武蔵」からは、生きる上でのヒントを多く得ているとだけ言っておこう。

そんなことを考えながら歩いていると、「みなにこ通り」の上り坂が見えてきた。

尾崎豊「誕生」

尾崎豊の「誕生」という曲に、年末から惹かれ続けている。

毎日何度かは必ず聴いている。そして、ふとした時に頭に流れてくる。

そんな曲だ。

曲の長さは9分55秒とかなり長いが、それを聴いていると不思議なことに約10分があっという間に過ぎていく。

特に好きなのは、曲の後半のこの部分。

Hey, baby 忘れないで 強く生きることの意味を
Hey, baby 探している答えなんか ないかもしれない

何ひとつ確かなものなど 見つからなくても
心の弱さに負けないように 立ち向かうんだ

さあ 走り続けよう 叫び続けよう 求め続けよう
この果てしない 生きる輝きを

近頃、生きることの意味がわからなくなり、戸惑い、悩むことがある。

いったい、何が答えなのか。そんなものは、はじめからないのか。それとも、答えを手にできる者とできない者がいるのだろうか。

考え込んでいても始まらない。

この「誕生」という曲のように、果てしない―まことに果てしない―生きる輝きを求めて、歩き続けようではないか。

もしかしたら、探している答えなんか見つからないかもしれない。

だけど、それでもいい。

見つからないこと自体が、答えだという可能性だって十分にある。

歩くことは精神の成長のために、必要不可欠だ

家から4キロ歩き、そしてまた4キロ歩いて戻ってくるという小旅行も、やがて終わりが近づいてきた。

片道50分程度、往復で100分という時間を要したが、とても良い時間になったと思う。

これからも日々、歩きに出かけよう。

家の中で本を読んだり、トレーニングをしたりするのも、もちろん大事なことだが、

それ以上に、外に出て多くのものに触れることは、生きる上で必要不可欠なことだと思う。

身の回りの些事にあくせくすることから離れ、ただゆっくりと大地を踏みしめて歩く。

このことは、人間の精神が不断の成長を遂げるためにも、良いことであるに違いない。

それは取りも直さず、私たちの命が持つ「生きる輝き」を高めることにもつながる。

(「歩くおぬま(5)」終わり)

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