258. 二丈岳と明神の滝へ(2)

「糸島探検記」シリーズ vol.3

加茂ゆらりんこ橋

加茂ゆらりんこ橋を渡り、自転車に鍵をかける。

そこまで終わると、おぬまは滝の音がする方へずんずん歩きはじめた。

「おお! あれが明神の滝か?」と思ったが、通常「明神の滝」と呼ばれている滝は、地図上ではまだ先にあるようだ。

これから、しばらく山道を行くことになるだろう。

望むところだ。

山道は、空気が澄んでいて気持ちが良い。

ところどころ険しい場所もあるが、鍛錬になるので厭いはしない。

小さな滝

小さな滝があった。滝と言うより、川と言った方が正確だろう。

小学生の頃、校外学習や登山の時間に、こんな感じの川の上を上流に向かって進んだものだ。

山に入ったからこそ、出会える景色がある。

登山は、比較的手軽に「非日常」を感じられる。

集団に遭遇

山道の途中で、集団に遭遇した。

明神の滝につながる川の中流といったところだろうか。

そういう場所に、小学生らしき子どもたちがたくさんいた。みな、黄色いヘルメットをしている。

木のそばに、引率の先生らしき大人が数人いた。

「こんにちはー」と挨拶すると、女性は元気よく挨拶を返してくれたが、男性の方は怪訝そうな顔でこちらを見ただけだった。

こちらを不審者だと思ったのだろうか。

白のノースリーブに、燃えるような赤い長ズボン。カメラを片手に、息を切らしながら歩いていただけなのだが・・・。

明神の滝

その後も、休まずどんどん歩いて行く。

道のすぐそばに川が流れているために、かなり涼しく快適だった。

やがて、ひときわ大きな水音が耳に入ってきた。

「これこそ、目指していた滝に違いない」と思い、少し脇道に入る。

脇道を進むと、不自然な場所にベンチが一つだけあったので、「この先だな」と確信した。

それから間もなく、大きな岩がゴロゴロ散らばった泉のような場所に出た。岩の群れの向こうには、滝が見える。

くねくねと蛇行していて、ユニークな滝だなと思った。

次なる目標へ

明神の滝を堪能したら、あとは二丈岳の山頂を目指すのみ。

ここからあと半分は歩く必要がありそうだ。

しかし動き続けて軽くなった身体に、怖いものはない。

「よーし、山頂まで一気に進むぞ!」

元気よく歩き出した。

(つづく)

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