239. 四度目の怪奇現象

真夜中に爆音が鳴り響く

「3度目の怪奇現象」が起きて数日経ったある夜、突然の爆音におぬまは目を覚ました。

それはまるで、パソコンの音量を上げたときに鳴る「トゥルーン♪」のような音だった。

その音が、だんだん音量を上げながら3度、耳に轟いたのだ。

ちょうど左耳を地面に向けて寝ていたせいか、音は左耳にのみ届いた。

そうすると、家の床や壁を伝って増幅した音が爆音となって耳に入ってきたのだろうか?

急いで時刻を見ると、0時だった。

今度は左側にいた

これまで3度「怪奇現象」が起きたが、いずれも自分の右側に何者かの気配を感じていた。

それがなぜか、今回は自分の左側に誰かがいるような気配が濃厚だった。

3度目までは右側にいて、4度目にわざわざ左側に移動したのには、何か理由があるのだろうか・・・?

その意味するところとは

「右に3回、左に1回」

その意味するところは何なのだろうか。

家族と話しながら、何気なく「右に3回、左に1回、右3左1・・・右3左1・・・」と繰り返していると、ふと「海にいる」という言葉が頭に浮かんできた。

その日は天気が悪かったが、言葉が頭に浮かんできた瞬間に「ゴゴゴ・・・」と風の音が重なったのは、あまりにも劇的で、まるで作り話のようだった。

しかし、母によるとおぬまは「あまりにも自然に」海にいる、とつぶやいたらしい。

それにしても「右=う、3=み、1=い」となるのはわかるが、なぜ「左=に」となったのだろうか。

強いて言葉にするならば、それは「勢い」と言うしかないかもしれない。

そういえば、怪奇現象が頻発する原因となったと目されている「千寿院の滝訪問」の際に、滝の入り口にあった寺から山と海が見えた。

海とは、あのときに見た海のことだろうか。

海へ行ってみよう

地図上で確認すると、千寿院の滝の近くから見える海は、加布里・深江・船越・引津・岐志のいずれかであることがわかった。

どれも一度は訪れたことがある海だ。それぞれ行ってみることで、何か手がかりが得られるかもしれない。

とにかく、海へ行ってみよう。

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