234. 海と空を見て思ったこと

海へ

先日、大学の授業を受けた帰りに車で芥屋の方面へ行ってみました。

平日の夕方だったからか、海の近くにある駐車場には誰もいません。

最初は海を横目に見ながらドライブし、駐車場で少し休憩するだけのつもりだったのですが、

全開にした窓から車内に吹き込んでくる潮風の誘惑に負けて、ふと気がつくと海に向かって駆け出していました。

草深いところに迷い込む

ところが、どうやらヘンな場所から入ってしまったらしく、辺りを見れば植林された小さな松の木たちに囲まれ、海はどこにも見えません。

耳に聞こえる波の音をたよりに、とにかくいろんな方向ヘ歩きましたが、だんだんと草深い場所に入って行き、膝の高さまで草木が蔓延る場所に迷い込んでしまいました。

「おかしいな、芥屋にはこれまで何度も来たことがあるんだけど・・・。こんな風に迷ったのは初めてだな」

右手に高い松の木が見えたので、そこに群がっていたカラスたちに「おーい、どうやったら海に行けるんだ?」と叫ぶと、

声に驚いたのか、カラスたちは次々に消えていきました。

カラスについていくと・・・

「おーい・・・。教えてくれてもいいじゃない」

「イジワルなカラス!」とつぶやきながら、しかし手がかりがないので、ともかくカラスたちが飛んで行った方へ歩いてみることに。

すると驚くべきことに、カラスたちが飛び去った方向にまっすぐ歩いたら、砂浜に出られたのです!

カラスはと思って見てみると、彼らは砂浜に屯して遊んでいました。

「実はあのとき、道を教えてくれていたのか・・・?」

清々しい気分

海、海、海。

海に来ると、清々しい気分になります。まるで心が洗われていくようです。

僕は山も好きですが、最近は海の方が好きだということに気づきました。

なぜでしょうか。

最近、いつもアロハシャツを着ているからでしょうか。

いや、さすがにそんな理由ではないか・・・。

とても神秘的

海から戻り車に乗り込もうとしたとき、チラリと目に映った空模様にハッとしました。

そこには、これが天国かと見まがうような神秘的な光景があったのです。

この景色を見ていると、ここ数日、目の前に立ちはだかるどうしようもない問題に怒り、涙していたことが夢であったかのように、すっきりとした気持ちになりました。

ここで僕は、やりばのない怒りや涙が無駄であったとは思いません。

そうした怒りや涙があったからこそ、今この瞬間晴れやかな気分になれている、そういう風に思います。

困難にぶつかり、打ち砕く

僕はかつて、「どんなことがあっても怒りを覚えず、穏やかに生きる聖人」のような生き方を目指して修行していた時期がありました。

ところが、ただ平穏無事な暮らしであればそれが幸せであるとも限らないようです。

とくに20歳という若さと、ありあまるエネルギーをもつ自分にとって、聖人君子という生き方はあまりにもかけ離れている、とこのごろは思います。

怒りや悲しみ、その他どんな困難であっても、思いきりぶつかり、打ち砕き、乗り越える。

苦しい思いをすることや、傷つくこともあるでしょう。

しかし数々の困難を乗り越えていく中で、身体はさらに強靭となり、瞳は輝きを増し、魂が磨かれていく、そう信じて強くたくましく生きていこうと思います。

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