230. あやしい笹山公園

近所の笹山公園には桜の木がいっぱいあり、例年見事な花を咲かせてくれる。

つぼみが開きかけている木が沢山あるので、あと数日すれば満開になるだろうか。

しかしすでに葉桜になっているものもある。いったい、今年の桜は早いのか遅いのか、わからない

とりあえず、ときどき笹山公園まで見に行って、確認することにしている。

「危険区域」

どういうわけか、この笹山公園を知らない友人が多い。

入ってみるとちょっとした山道で、いい運動になる。高いところまで登れば、遠くまで見渡せる。

そして春には桜が咲き乱れる。広場も森も遊具もあるので、遊べる場所も十分だ。

ところがなぜか、弟が通う小学校では、この笹山公園は「危険区域」に設定されているのだという。

先生たちによると、この公園には不審者の目撃情報が多いのだとか。

果たして本当にそうなのだろうか?

暴走するスケートボード

まずは筑前前原駅付近の入り口から、公園の中へ。

最初の広場に出ると、スケートボードに乗った若者たちが、我が物顔に広場を走り回っていた。

花見に来た客は、広場の隅の方でひっそりと花見をやっている。

スケートボードを乗り回す若者たちには、周りが見えていなかった。

関わり合いになると面倒なので、さっさとその場を通り抜ける。

テント

「わんぱく広場」という、草が生えているだけの広場(そんなに広くない)に行くと、テントが張ってあった。

ただ花見をしているだけなのか、それとも泊まっていたのか。

テントの持ち主と思しき人々に近づくと、ゆっくりと逃げて行った。

異国の人びと

わんぱく広場を出て下に行くと、3人連れの異国の人びとがいる。

「コンニチハ」と行ってきたので、笑顔で挨拶を返した。

彼らはその後、壁に書かれた落書きを見て笑い、興奮し、そこに敷物を敷いて座り込んだ。

花見をするなら、もっといい場所があるのだが・・・。

眠る人、様子をうかがう人

さらに上にのぼって、もう1つの広場に出ると、荷物を広げたまま、桜の木の下で眠り込んでいる老夫婦があった。

「大丈夫なのだろうか、こんなところで眠っていて」と心配していると、少し離れた木の陰に、1人の老人がいた。

老人は、しきりに眠り込む老夫婦の様子を伺いながら、同時にこちらにも目を配っていた。

その場をウロウロと行ったり来たりしていて、いかにもあやしい様子であった。

人のことは言えない

「なんか今日は、ヘンな人ばっかりだな!」と言いながら、おぬまは歩いていた。

それまでは道の上を歩いていたのだが、ふと興味を覚えて、道を外れた。

道なき道を突き進むおぬま。

「わ、と、と」と叫びながら勢いよく駆け下りていくと、いつの間にか公園の入り口の近くまで来ていた。

端から見れば、道ではないところを叫びながら走るおぬまもまた、不審に見えたに違いない。

たしかにこの公園は、危険区域だ。先生の言うとおり、不審人物だらけではないか。

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