180. ある日のバイトで

バイトをしていると、いろいろなことが起こります。

先日もまた、たくさんの珍客(?)に出会いました。

①青にする? 赤がいい!

昨日は15:00~20:00のバイトだったのですが、これは出勤してしばらくしてからの出来事。

30代前半くらいのお母さんと、5,6歳の男の子が手をつないで来店しました。

「こんにちは、いらっしゃいませー」

笑顔で近づくと、お母さんの方が「姪浜店で、ここならあるって聞いたんですけど・・・」と口を開きました。

話を聞いてみると、18インチの子ども用自転車をお探しのようで、

男の子は青がよかったみたいですが、姪浜店にはあいにく青色の自転車の在庫がなかったということでした。

「かしこまりましたー」と言って探してみると、

青色の自転車は、あるにはありましたが、

ちょっと取りにくい、奥まったところに並べてありました。

18インチだと補助輪がついているので、展示用の台の足に補助輪が引っかかって、取り出すのも一苦労です(^-^;

「お待たせしましたー(汗)」「あっ、すみませーん」

そして男の子に「どうぞ乗ってみてください(^^)/」とご試乗をすすめると、男の子は嬉しそうにペダルを漕いでいました。

しばらくその青い自転車を乗り回した後で、お母さんが「どうだった? この自転車にする?」と聞くと、男の子は「あの赤い自転車がいい」

「ええっ、赤色の自転車なら姪浜にもあったじゃーん。せっかく糸島まで来たのに・・・」とお母さん。

子「でもぼく、赤がいい」
母「青にしようよー」
子「赤がいい」
母「青でいいよね?」
子「赤がいい」
母「黄色でもいいよ? 黄色か青色」
子「赤―」
母「青」
子「赤」

この言い争いから、果たしてどんな結果がもたらされるのか、僕は固唾をのんで見守っていました。

すると、ふいにお母さんがこちらを振り向いて「・・・すみませーん、この青い自転車をください」と笑顔で言いました。

見ると、子どもの方もべつにふて腐れたような様子はなく、にこにこしています。

(あれ、さっき赤がいいって言ってなかったか・・・?)

「あっ・・・かしこまりましたー」


その後、オプションパーツで自転車に泥除け(デフォルトでは付いていません)を付けよう、という話になったとき、

母「ふつうに青色がいいかなー。あっ、でも黒もあるね。黒も似合うかもよ? 黒にしない?」
子「ぼく、青がいい」

②「バキャッ!」・・・やらかしましたよね?

赤青親子が帰って行ったあと、子ども車の陳列を整えていると、

ちょっと古めかしい、シルバーの車がお店の駐車場に入ってくるのが見えました。

まさにこんな感じでした

「お、お客さんが来たな・・・」と思っていると、

その車はかなりお店側に寄った状態で、右折で入ってきました。

「なんか近いなあ・・・あ、白い床に乗り上げたぞ(お店の入り口にあり、本来車が通る場所ではない)・・・おお?」

その瞬間、「バキャッ」という音が聞こえました。お店に近寄りすぎた車と、そこにあった柱とがぶつかったのかもしれません。

通りを歩いていた家族も、その車のあたりを指さして何か口々に言い合っているようです。

さてはあのお客さん、「やらかしちゃった」な・・・

さあ、どんな顔をしてお店に入ってくるのか。僕は少しドキドキしながら待っていました。

「ガシャッ(ドアを開ける音)」「いらっしゃいませー」

するとそこには、赤と緑の渋いハンチングをかぶったおじいさんが、何食わぬ顔で立っていました。目元には微笑さえたたえています。

「はいはい、こんにちは。・・・あのねぇ、このタイヤと同じようなものを探してほしいっていう話なんだけどさ。お願いしていいかな?」

タイヤの方は700×35と、珍しいサイズではなかったのですぐ見つかりました。

しかし、さっき車が乗り上げたときに見せていた、おじいさんのこわばった顔が目に焼き付いている僕は、

そのすぐ後でこんなにも穏やかに、何事もなかったかのように話すおじいさんが不思議でなりませんでした。

おじいさんはタイヤを買った後も、しばらくお店の中を歩き回っていました。

おじいさんが帰ったあとで、僕は一緒に働いているNさんに話して「おじいさんがぶつけたかもしれない柱」を見に行きました。

その時はなぜか、車のバンパーや車体前面をぶつけたものと僕もNさんも思い込んでいたので、そのあたりばかりを探していましたが、

夜寝るときになって「あ、ミラーをぶつけた可能性もあるじゃないか! むしろ、そっちの方があり得る・・・」ということに気がつきました。

今度バイトに行ったときに、確認してみようと思います。

③お久しぶりです!

3つ目のお話は、特に奇妙な話というわけでもないですが、

僕がかつて、シェアハウスに住んでいたころにお世話になっていたMさんに、偶然にも再会しました!

この日はお母さんと息子さん(次男?)が来られていました。

お店の入り口で2人が立ち止まり、子どもの方が「ええっ」と言い、お母さんが「Mでーす」とおっしゃったので、僕は「あっ、お久しぶりです!」と出迎えました。

Mさんは農業をされており、昨年のこの時期には、早朝4時すぎに起きてMさんの農作業のお手伝いに行ったこともたびたびありました(もちろんお給料は出ました(^^)/)。

僕はシェアハウスの同居人たちと一緒に寺子屋をやっていたので、

Mさんの末っ子(小学生)とは寺子屋で一緒に勉強したり、ゲームで遊んだりしましたね~。

この日来ていた次男(たぶん)の子とは、平日の夕方から夜にかけて、学校の勉強をしたり、受験に向けた話をしたりした記憶があります。

あれからもう1年にもなるんですね!

④自転車を間違えた高校生

4つ目は、夕方(18時過ぎ?)のお話。

僕が働いている自転車屋さんには入り口が自動ドアと手動ドアの2つあり、

自動ドアの方には空気入れが置いてありました。

空気入れはどなたでも無料で使っていただけますし、お声かけ下さればスタッフが無料でお入れしています。

夕方、自動ドアの方で空気を入れる音がしたので「大変そうだったら、手伝おう」と音がする方へ歩いていきました。

すると空気入れの前には高校生が2人。

その高校生たちは、スポーツ自転車に一般自転車用の空気入れを使っていたので、

「スポーツ自転車と一般車は空気圧が違うので、できればこっちのスポーツ用の空気入れをお使いくださーい」とアドバイスしました。

そしてまだ空気入れが終わっていない方の自転車の方を向いて

「こちらの空気、お入れしますね」と入れようとすると、

空気入れが「スコンッ!」と抜ける感じがして空気が入りませんでした。

「あれ、壊れてる・・・?」と首をかしげていると、その自転車を持ってきた方の高校生が急に、

「あっ、しまった! やらかした!」と叫びました。

「ん?」と思っていると、

「すみません、あの・・・間違えて他人の自転車に乗ってきてしまいました。なので、これから学校に戻って自分の自転車でもう一回来ます」

ちょうど空気入れがおかしいなと思っていたところだったので、内心「助かった」と思いながら、

「かしこまりました。お待ちしております」と見送って、

副店長のところまで空気入れの異常を伝えに行きました。

最初は「壊れてる」という判定が出ましたが、よくよく調べてみると、空気入れの下の方の部品が一つ、外れていました。

一緒に働いているTさんが「そういや今朝、何か落ちてるなーと思ったけどスルーしてたナー」

そして閉店まで待っていましたが、「乗り間違えた高校生」は二度とは戻ってきませんでした。

おつかれさまでーす!

こんな感じで、その日のバイトは終わりました。

お店を閉めた後で、僕たちはみんなで晩御飯を食べに行きました。

コロナを理由に、会社側から長い間会食が禁止されていたので、

僕は初めてバイト終わりにバイト先の人と食事に行きました。

(バイト後にコンビニで一緒に買い食いしたり、個人的に家に遊びに行ってご飯を食べたりはしていましたが)

最初は「ウエストで『もつ鍋そば』を食べよう」という話でしたが、

混んでいたので近くのラーメン店「西谷屋」に変更。

まだ一度も訪れたことはありませんでしたが、おいしかったです。

4人で行ったのですが、僕以外の3人は食べるのが早く、

僕は最後まで必死でスプーンと箸を動かしていました(笑)

慌てすぎて、チャーハンがスプーンに5粒くらいしかすくえず、余計に時間がかかってしまいました。

何とか完食し、お店を出たら外はもう真っ暗。

「おつかれー。明日からもがんばろう!」という副店長の声を合図に、

僕たちは一斉に「おつかれさまでーす!」と、それぞれの帰路へと走り出しました。

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