118. ドタバタ独検

こんにちは~! 

金曜日には大学のドイツ語の定期試験が終わり、日曜日にはドイツ語検定も終わって、かなり身軽になったおぬまです。

ただいつも不思議に思うのは、テスト前にはものすごくゲームしたり遊んだりしたくなるのに、

テストが終わって心置きなく遊べるようになると、何となく「遊びたい!」っていう気持ちが収まっちゃうんですよね~・・・

逆だったらいいんだけどなー(笑)

さて、昨日は12月5日(日)。この日は、ドイツ語検定が福岡大学7号館でありました。

車校のバスを使って

まずは自動車学校のバスに10:54に乗り、車校へ。

実は車校(福岡県自動車学校)と福岡大学って、すごい近くにあるんですよね~。なので車校までスクールバスで行って、そこから歩いて検定会場まで行くことにしました。

Googleマップで事前に確認したところ、車校から検定会場の福大7号館まで徒歩で20分となっていました。

「徒歩20分! めっちゃ近いじゃん、これなら歩ける」

ということで、ドイツ語検定の試験会場の開場が13:20なので、それくらいの時間に着けるように、

車校に11:30ごろに着いたあと、少し勉強してから13:00に車校を出発することにしました。

昼ご飯は、おにぎりを持って来ていたのですが検定会場に着いてから食べることにしました。

計算上は、それで十分間に合うはずでした。

最初のエラー

ところが、実際に動き出すといろいろと問題が発生しました。

まず、家を出る前に「少しスマホを充電しておこう」と思って充電器につなげたところ、

まんまと家に置きっぱなしにして出てしまいました。

そして、しばらく使っていなかったので腕時計も持っていき忘れ、

もはや公共機関の時計を見る以外に、時間を知るすべはなくなりました。

目的地までの道順については、車校の「教習ノート」に挟まっている路上教習用の地図と所々にある看板を頼りに歩きました。

・・・まあ、ほぼ直進なので道に迷うことはなかったんですけどね(笑)

しかし、何といっても時間がわからないのは相当な痛手でした。

大きな道路沿いで、お店はたくさんあったのですが、なかなか時計は見当たりませんでした。

家を出る前に見たGoogleマップでは「徒歩20分」とあったので、遅刻する心配はあまりしていませんでしたが、万が一ということもあります。

形勢悪化!

悪いことに、20分では着かなそうな状況になってきました。

時計がないので完全に感覚ではありましたが、途中で「もう20分以上は歩いているな」と思ったものの、まだ福岡大学は見えていませんでした。

予定以上に時間がかかっているのは、昼ご飯を食べずに歩いてきたからかもしれません。

それと、この日履いていたズボンのすそが少し長かったので、時々立ち止まってすそをまくったり、持ち上げたりしながら歩いていました。

これがけっこうタイムロスになったのかも・・・

何となく時間がなさそうだったので、当初予定していた7号館に近い門ではなく、

現在地から最も近い正門から入ることにしました。

このときはまだ、自分が遅れているかもしれない、とはほとんど考えていませんでした。

迷った・・・

さて、大学に入ったはいいものの、正門と7号館はちょうど真反対の位置にありました。

「まっすぐ行けばいいんでしょ」と思いましたが、そもそも大学内の道がまっすぐではなく、

坂があったり、散策用の森みたいなものがあったりして、迷いました。

・・・そう、迷ってしまったのです。

大学に入れば時計があるだろうと思いましたが、場所が悪かったのか見つかりませんでした。

さらに、大学内の案内図もなかなか見つかりませんでした。

ふと上の方を見ると、「18号館」という文字が。

「えっ・・・18号館って、どんだけあるんだよ!!?」

てっきり7号館くらいまでしかないのかと思っていたら、いきなり18号館。

「これは時間がかかるかもしれないぞ・・・」とそろそろ危機感が高まってきました。

焦りは高まる

18号館の後いくつかの建物を通り過ぎたところで、曲道の先にやっと地図を見つけました。

それを見ると、7号館まではまだ距離がありました。

「急がねば!!」僕は走り出しました。人が全然いなかったので、止まることなく駆けることができました。

足場の悪い森を避けてさらに奥へと進むと、守衛室がありました。

そこに小さな置時計があったので、何気なくのぞくと、13:37。

「エッ?」

このドイツ語検定は13:20開場、13:40着席でした。

あと3分しかありません。

「Googleマップのうそつき! 何が徒歩20分だよ!! 倍近くかかってるじゃん!」

心の中でののしりましたが、今はそれどころではありません。

「あ~、昼ごはん食べられないな~」僕はぼやきながら走り続けました。

ようやく「この先7号館」という看板が現れ、「間に合うかもしれない」と希望の光が見えてきましたが・・・

近くにあったドアに手をかけると、鍵がかかっていました。

「な、なんで?」焦ってそのあたりにあったドアを手当たり次第にガチャガチャやりましたが、全部閉められていました。

「まさか、もう入れない・・・?」

最後に一番大きなドアに手をかけ、そこもダメだったので僕は思わず天を仰ぎました。

「・・どうすればいいんだよ!」

すると、視界の端に「7号館」という文字が。

落ち着いて見回すと、僕が必死に入ろうとしていたのは、7号館と連結された「本館」でした。

7号館は、そのすぐ隣。

「なんだ、こっちかぁああああああ!」僕は狂ったように走り出しました。

もはや遅刻は避けられませんが、震える手で受験票を見ると「試験開始30分以後の入室は認められない」と書いてありました。

裏を返せば、「遅れても、試験開始30分以内なら入室できる」ということではないか!?

なんとか入室

7号館の入り口に行くと、プレートを持ったおじさんが立っていました。

「この人がドイツ語検定の誘導員かな」と思いながら近づくと、

その人は「日本語検定はこちら」という看板を持っていました。

(いや、今は日本語検定に用はないよ!)心の中でそう叫びました。

ちなみに、自慢ではないですが、僕は日本語検定1級を持っています。たしか高校1年生ぐらいのときに取りました。

それはさておき、「日本語検定はこちら」の看板を持ったおじさんに「ドイツ語検定の会場はどこですか?」と息も絶え絶えになりながら尋ねたところ、

「え、英語検定?」と耳に手を当てて聞き返されました。もう1度、息を整えてから言い直しても「え、ロシア語検定?」

・・・そもそも、英検もロシア語検定も今日ここでやってないだろ! それに、どうやったら「ドイツ」と「ロシア」を聞き間違えるんだ??

おじさんに聞くのを諦め、自力で探そうと思ってふと横を見ると、ドアのところにドイツ語検定のチラシが貼ってありました。

「これです、これです!」とおじさんに言うと、「あぁ、それならここだよ」と教えてくれました。

僕はお礼を言い、再び走り始めました。しかしこの建物の中だということはわかっても、何階なのか、どのあたりの教室なのかは不明のままでした。

とにかくテキトーに走り回っていると、真っ暗な実験室に迷い込み・・・背筋が寒くなりました。

ようやく「ドイツ語検定はこちら」という張り紙を見つけて2階に上ると、そこには受付の係員がいました。

そこまでくれば、もう迷うことはありませんでした。

係員に教えてもらった通りに進むと「ドイツ語検定4級教室」が見えてきました。

走りながら、教室の前のドアからチラと中を覗くと、ちょうど試験監督が「試験の注意事項」を読み上げているところでした。

「間に合った・・・のかな?」

ペコペコしながら後方のドアから教室に飛び込むと、すごそこに友人Sの姿が。

今は話せる状況じゃないので、ただハアハア言いながら自分の席を探しました。

その間も、試験監督による説明は続いていました。

自席は・・・

教室の後ろから見渡すと、空席がいくつもありました。どうやら、まだ着いていない同志か、欠席している人が何名かいるようです。

僕は後ろの方から席を探していきましたが、

なんと自席はいちばん前でした。

「よりによって、試験監督の正面の席とは・・・」

僕が席に着くと、試験監督は軽く咳ばらいをしました。それは単なる咳払いなのか、それとも・・・

席に着いたものの、「健康チェックシート」を切り離して提出しなければならず、僕は震える手で(それも定規で)シートを切り分けました。

すると、試験監督の助手なのか、きれいめのお姉さんがチェックシートを回収しに来てくれました。

コンディションは心次第

僕は試験監督が話している間に、何とか息を整えようとしました。しかし相当走ったので、正常な呼吸に戻るまでなかなか時間がかかりそうでした。

そのうち、筆記試験が始まってしまいました。僕は、冬なのに汗だくでした。そして手汗が止まらず、シャープペンシルを握る手は震え続けました。

道中ズボンを持ち上げながら歩いていたり走ったりしていたので、両腕が筋肉痛になりかかっていました。

さらに、昼ご飯を食べていないのでかなり空腹。

コンディションは、これ以上ないというほどに最悪でした。

それでも、「もうだめだ」という負の感情が心を支配しないように、

「先週は38℃以上の熱が出て、喉も痛くて苦しんでた。それに比べたら、今の自分はなんと健康的であることよ」

と自分に言い聞かせました。たしかに、世の中を探せば自分よりハードな状況でこの試験を受けている人もいるはず。

もっと考えると、生まれ育った環境や今の状況など、自分よりはるかに「ハードモード」な人が大勢いる中で、

「自分がこの程度の困難に屈していいのか、そんなはずはない」と思いました。

そう思った瞬間から、僕の心は落ち着き、そして静かに闘争心の炎が燃えはじめました。

やってみせる!

かつて14歳の時に受けたドイツ語検定4級。それと同じものが、今目の前にありました。あのときは惜しくも届かなかったけれど、今ならできる。

何しろ5年の歳月が経っているわけです。当時は英語の過去形や話法の助動詞などの知識も十分ではなく、ドイツ語の勉強もなかなか進まなかったものですが、

今は高校卒業レベル以上の英語の知識があります。これを生かさない手はない。あのとき理解に苦しんだ内容も、今ならば容易く受け入れられそうでした。

試験を受けながら、どんどんドイツ語への関心が高まっていきました。きっと僕は、この試験が終わったあともドイツ語の勉強を続けることでしょう。

今までの半年間は、とりあえず大学で単位を取るために何となくやっていました。ドイツ語の授業で遅刻ギリギリが多かったのは、多分にその気分が影響していたのでしょう。

しかし、そんな自分とは今日、この瞬間で別れよう。ドイツ語検定に遅刻するという、最大のイベントをもって。

僕はそう心に決めました。

「失敗は成功の母」といいます。もしかしたらこの日の遅刻が、おぬまの未来を変えたかもしれません。

半年後、1年後、2年後。やがては、英語以上にドイツ語が話せる日が来るかもしれません。

少なくとも今は、そうありたいという気持ちが強くなっています。

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