8月8日、日曜日。
この日も、いつものように寺子屋を開きました。
ところが、夏休み中のためかいつもより人は少なく、やってきた子どもは3人。
開催する大学生側も、僕と同居人Yの2人だけでした。
勉強にはげむ子どもたち
朝の10時に始まって、午前中の2時間はそれぞれが持参した教材を使って勉強します。
この日はみんな、夏休みの宿題を持って来ていました。
小学4年生の子は「あー、宿題多すぎてめんどー」と文句を言いながら算数の計算をものすごい速さで解いていきます。
彼は、暗算オリンピックに2度出場したことがあるといいます。
なので、小学4年生の算数の宿題なんて余裕! という感じでした。
一方、7月から寺子屋に通い始めた小学2年生の男の子。この子は、学校の宿題の「探し算」とかいうものに取り組んでいました。
これは何かと言うと、縦3つ、横3つで並んだ計9つの数字の中から、和が15になる3数を見つけて囲むというもの。
ところが、明確なルールが書かれておらず、同居人Yは「何でもありなんかな?」と首をかしげていました。
探し算なんて、僕が小学生の頃は習わなかった気がします。。。
もう1人、最近入った男の子がいます。彼は中学2年生で、もともと寺子屋に通っていたN3兄弟(この日は不在)の長男と幼馴染でした。
僕はこのN3兄弟の長男と馬が合い、これまでお互いにいろいろなことを話してきました。
卓球やゲームのやり方など、僕が教わることの方が多かった気がしますが(笑)
それはともかく、その新しく入った中学2年生の男の子もまた、他の2人の子と同じように夏休みの宿題を持って来ていました。
彼は英語が苦手らしく、その日は同居人Yと一緒に英語を勉強していました。
小学2年生に諭(さと)される、小学4年生
中学生はまだしも、小学生(それも高学年ではない)が2時間も集中して勉強するのはちょっと難しいのでしょう。
11時半を過ぎると、小学生の子どもたちは明らかに集中を欠いていました。
特に顕著だったのは、小学4年生の子の方。
「あーもうめんどー。大学はもちろん行かないけど、高校もやだ。できれば中学も行きたくなーい」
ぶつぶつとつぶやきながら宿題を解き、しまいには解くのを放棄して「あーもう、何で勉強せんといかんと?」と畳の上をごろごろし始めました。
それを見ていた小学2年生の男の子。
彼も、だいぶ疲れてきている様子でしたが、駄々をこねている年上の子を見て、我に返ったような顔で「いまはお勉強の時間でしょ! ちゃんとやりなさーい!」
・・・母親かよ! (笑)
午後の予定は。。。
しばらくすると12時になったのでいったん解散。
それぞれお昼ご飯を食べてから、また13時に集まることになっています。
毎月、各回の午後にやることを決めてからパンフレットを作り、それをもとに活動を行っているのですが、今回は人が少なすぎたので当初の予定は変更せざるを得ませんでした。
小学2年生の子が「ピタゴラスイッチ作りたい!」と言ったので、「ゲーム! ゲーム!」という小学4年生の子の提案をスルーして午後は工作をすることに。
工作。。。小学生の頃は家に帰ってからあるものでいろいろ作っていましたが、最近はあまりやってないような。
久しぶりに何かすごいものを作ってみよう、と思いました。
製作開始!
僕と同居人Yが食事を終えてのんびりしていると、13時ちょっとすぎくらいに小学4年生の男の子が食卓の下から登場。
奇襲攻撃を受けた同居人Yは「うっわぁあああ!」と絶叫。
僕は少し離れたところにいたので、「ん? なんだ?」といった感じでした。
その日は昼前からけっこうまとまった雨が降っていたのもあってか、残りの2人はなかなか戻ってきませんでした。
14時半くらいに、やっと全員そろい、「よーし、みんなで力を合わせて1つの作品を作ろう!」ということに決定。
転がす玉は、ビー玉を使うことにしました。
まずはそれぞれが思い思いにピタゴラスイッチの部品を作ります。
僕は、割り箸を使って船のような構造物を作りました(笑)
経路がくの字になっていて、転がってきたビー玉の進行方向を真逆に変えるつくりになっています。
同居人Yが「まるでノアの箱舟のような・・・」と言いながら動画を撮っていました。
そのうちみんなが部品を作り終えたので、今度はそれらを組み合わせていきます。
スタート地点にビー玉を置いて何回も転がしました。
ところどころで問題が発生しましたが、その都度みんなで改善。
最後は机の上に本を並べて、ドミノ倒しでゴールのベルまで持っていくことにしました。
しかし、この本が曲者。どこからか吹いてくる風によって何度も倒れ、そのたびに他の本まで連鎖して倒れていきました。
「テイク1!」 「いち!」
とりあえず体裁が整ったところで、「じゃあ最初から最後まで、通しで収録しますか!」ということに。
収録を始める前に、小学2年生の男の子がホワイトボードに今回の企画名を書きました。
その名も「ピタコラスイッチ オリジナル」。
小学4年生の子が椅子に乗ってスタート地点にビー玉を置き、同居人Yがスマホで録画を開始。
「テイク1!」小学4年生の子がやけにネイティブな発音で叫びましたが、直後に同居人Yが「いち!」と叫びました。
小学4年生の子は変な顔をして同居人Yの方を見ましたが、そんなことはお構いなしにビー玉は進んでいきます。
しかし、テイク1は失敗。小学2年生の子が「カット―ーーォおお!」と元気良く叫びました。
「まあ一発合格はなかなかないよなー」
口々に言いつつ「テイク2!」「に!」
「ねえ、なんで『に!』とかいうと?」と小学4年生の子はキレ気味。
同居人Yは「いいじゃないっすか、アニキ!」と笑いました。
結局、2回目も失敗。今度は1回目より少し進みましたが、そこでコースアウト。またまた小学2年生の子が「カットーーー!」
特に、ラップの芯を通って僕が作った箱舟に行くところが、第一の難所のようでした。
画像を見ていただければわかるように、ラップの芯の出口から箱舟までの間には、かなりの距離があります。
しかも、真っ逆さまに落ちていくのでけっこう勢いもついていて、このあともはじけるようにコースアウトすることが多々ありました。
・・・ということは、3回目も失敗。
小学2年生の子は、さらに大きな声で「カット、カット―!!」と叫びました。
回を重ねるごとに確実に進むようにはなってきているのですが、新しい場所を通るたびにコースアウトしました。
それでも、テイク15くらいになると(多すぎ笑)、一応本の前くらいまでは行けるようになりました。
ところが、本が重いのか、転がってくるビー玉の勢いが弱いのか、なかなか本が倒れません。
ビー玉が来るときは倒れませんが、「テイク20!」とかいって転がし始めた瞬間に「バタバタッ!」と風で倒れることはよくありました。
毎回動画を撮っていたのですが、スタートと同時に本がバタバタ倒れたときには同居人Yが「後ろで不吉な音がしたが・・・」と言いながら収録を続けました。
そのうち小学4年生の子は疲れてきたのか、ビー玉を転がす役を降りて安楽椅子に腰かけました。そして、switchで遊び始めました。
もともとその椅子には小学2年生の子が座っていたのですが、なんと4年生の子はその上に乗ったのです(笑)
同居人Yは「逆だよ、逆!」と笑っていました。
一方、僕と中学2年生の男の子はそれぞれ座布団を敷き、その上にあぐらをかいてくつろいでいました。
同居人Yは「なんだみんな! 気合が足りないぞ! おぬま、何してるんだ(笑)」とだらけ始めたみんなを叱咤しました。
最後の手段
結局、収録はテイク40を超えてしまいました。
ふと時計を見上げると、16時50分。あと10分で寺子屋はおしまいです。
「もうこんな時間かあ。。。」と誰からともなくため息を漏らしました。
ここで、同居人Yが「みんな! テイク50までに終わったらアイスを買ってきてあげよう!」と提案しました。
すると、それまで思い思いにくつろいでいたみんなは、がばっと起き上がって収録に協力し始めました。
しかし、あっという間にテイク49へ。
「こりゃだめか。。。」
誰もが思いましたが、アイスを食べたいのでコースアウトしても「いまのはノーカウント!」と口々に言い合いました。
それからというもの、「いまのもノーカン!」「これもノーカン!」「うん、、ノーカンで!!」と10回くらい繰り返しました(笑)
しかし、どんなにうまくいくときでも、本にぶつかると失敗することがだんだんとわかってきました。
「本がいけないんじゃないか」
誰もがそう思いました。
だけど、今からコースを変えるのも何となくしゃくだ。。。
そこで、僕たちは最終手段をとることにしました。
最後の収録。「よーし、テイク50!」
ビー玉がスタート地点を離れ、コースの上を転がっていきます。
そして、箱舟を通って最後の一直線へ。
・・・・・・ビー玉が本に直撃! という瞬間に、同居人Yが「おぬま!」と小さく叫びました。
僕はうなずき、目にも止まらぬ速さで本を叩きました。
はたから見ると、ビー玉によって本が倒されたように見えます。。。
「いえーーーい!」「おっしゃーーー!」「やったーーー!!」
こうして、僕たちの挑戦は見事、成功裡に終わりました。
おわりに
いやー、久しぶりの工作は楽しかったですね~(^^)/
割り箸しか使わずに、けっこういい感じのものを作れたのが、素直にうれしかったです。
皆さんも是非、この夏休みにでも家族や友人と一緒に楽しい作品を作ってみてくださいね☆
それでは次回もお楽しみに~!
(あ、アイスはこのあと同居人Yと小学2年生の子が買ってきてくれたものをみんなで分けました☆)
返信がありません