㉚ミッドナイト・ライディング

こんにちは! おぬまです。
先週の木曜日(7月1日)、大学でオンライン授業を受けた後に友人たちと雑談していると、急に「今から映画見に行かね?」という雰囲気になりました。

そこで、一旦それぞれの家に帰って準備をした後に博多の映画館まで自転車で行くことになりました。

集合場所は「伊都の湯どころ」という温泉の近くにあるセブンイレブン。

・・・ほかに目印になりそうな場所が少なかったので仕方がないのですが、僕の家からそのセブンまでの距離は、他の2人(S.KとH.T)の倍はありました(泣)

いざ出発!

目印のセブンイレブンに集合完了したのが18時。

「ちょっと時間やばくないか」と誰もが口にしましたが「せっかくだし行くか」ということになり、ゆっくりしゃべりながら、風の強い農道を並んで走りました。

途中、姪浜(めいのはま)付近を通ったときに、左手に海が見えて「おおー、夕方の海! いい感じ」と心が躍りました。

ちょっとゆっくり漕ぎすぎたのか、博多に着いたのが19時50分ごろ。自転車を地下の駐輪場に止め、駐輪券を手に地上へ。

「あれ、映画館もう閉まってるじゃん」

それどころか、カフェや本屋さん、レストランなどあらゆるお店がすでに閉店準備に入っていました!!

僕は閉店間際の本屋さんで気になった本を1冊購入。

「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」という本で、認知症を防いだり、進行を遅らせたりするためには「有酸素運動をする、ぐっすり眠る、将棋やトランプ・麻雀をする、何かに意欲を持って取り組む」と言ったことが重要なようです。

特に、近年の日本では「退職してやることがなくなり、日常の出来事に興味を抱くこともできず、いつの間にか認知症になってしまっていた」というケースが多いようです。

手を出したことのない新しい分野にチャレンジしたり、昔やっていたけどやめてしまったことにもう1回取り組んだりすれば、そのうち何かに興味を持つことができると思います。

夜の博多

話が大分それましたが、「時短営業」のおかげで本を1冊買ったところでほぼすべてのお店が閉まってしまいました。

「晩御飯どうするよ?」

これが僕たちの中で喫緊の課題となっていました。

しばらく夜の博多を歩き回りましたが、規則を破って営業している店は見当たらず、(1軒でもいいからこっそり営業してて―! と願いながらひたすら歩いていました)腹ペコのまま博多山笠の前に来ました。

店はほぼ閉まっているのに、人はかなり歩き回っていました。「みんな自分たちと同じで、ぎりぎりに博多に遊びに来たんかな?」と友人たちと言い合っていましたが、さすがにそういう人は稀だったのではないかなと思います。

・・・と、ここでS.Kが「うわ、駐輪場のチケットがない!」と慌てだしました。「それ結構ヤバイやつやん」と、みんなで今まで通った道を引き返してみることに。

しかしなかなか見つからず、気がつけば21:30を過ぎていました。

「もう博多に泊まる?」と僕が提案してみると、2人とも「それはちょっと」と即答。

でも、僕はもう眠くてたまらなかったのでマップで付近のホテルを調べ、安そうなホテルをいくつか見つけて電話を掛けまくりました。

どこも部屋が空いていて、当日宿泊が可能でした。

あるところは「3人合わせて5400円で泊まれます」と言われましたが、2人に確認すると「チャリで帰った方が安いわー」

同じホテルに1人で泊まると4600円。急に泊まるにはちょっと高すぎる。さすがにチャリで帰った方がいい・・・ということで却下。

別のホテルでは、「おひとり様2600円で泊まれます」と言われましたが、対応してくれた女性がいまいちだったので却下。

H.Tが「ネットカフェはどう?」と「快活クラブ」というインターネットカフェを教えてくれました。

快活クラブは全国展開しており、店によって料金がバラバラで帰り道の途中にある店は「個室8時間で約850円」とのこと。

「これは安い!」と思いましたが、ベッドがないので椅子に座って寝るしかなく(快活じゃないじゃん!)、しかも教えてくれたH.T自身も「知ってるだけで行ったことはない」らしく、「早まってはいかん!」と却下。

哀愁漂う晩メシ

3人でいろいろ議論していましたが、最終的に「とにかくご飯食べた方がよくね?」という意見で一致し、また晩御飯を探す旅が始まりました。

結局、博多駅構内ではファミリーマートとマックくらいしか開いていなかったので、H.TとS.Kはマックへ、僕はファミリーマートへ行きました。

ファミリーマートに入ると、2人いた店員さんの両方が外国人でした。「こんなことってあるんだ」と思いながら「山賊焼き弁当」を購入。460円くらいでしたが、値段の割にお肉がいっぱい入っていておいしかったです。

3人それぞれが晩御飯を買い終わると、「とりあえず自転車を駐輪場から出して、どこか公園まで行ってから晩御飯にしよう」ということになり、地下の駐輪場へ。

S.Kは「チケットどうしよう」と不安な顔をしていましたが、駐輪場の入口まで来たところで「あっ! 入口で落としてたわ」

「落とすの早すぎないか」と笑いながら、とりあえず全員が無事に脱出できることを喜び合いました。

その後、「警固公園」という、公園の横(というよりもはや公園の中)に交番がある場所で自転車を止め、芝生に座ってささやかな晩餐会を開きました。

付近にはカップルやサラリーマンがベンチや地面に屯しており、茂みの裏などには怪しい少年たちも数人見かけました。

H.Tが、暗い芝生の上でマックのポテトを頬張りながら、「なんか哀愁漂うなあ・・・」と何度もつぶやいていました。

ぼんやり3人でご飯を食べていると、「すみません、今ちょっと時間いいかな?」と髪の長い男の人が近寄ってきました。

「声かけ事案?」と僕は身を硬くしましたが、「実は私美容師をやっておりまして、いま新規のお客さんを探しているんですよね。良かったらインスタとかでつながりませんか? インスタがいやだったらLINEでもいいですけど・・・」とのこと。

ここまで聞けば「なんだ、美容師さんか」と安心する人もいるかもしれません。

しかし、僕は「まだどこの美容室か明かしてないな」と不審に思っていました。

普通美容室の宣伝に来るなら、美容室の名前か、個人で美容室を持たずにやっているなら名前くらい名乗るような気がします。。。

そもそも、糸島から博多まで髪を切りに行くのは遠すぎる気がしたし、家の近くになじみに近い髪切り屋さんができつつあったので、僕は申し出を断りました。

H.Tも「なじみの店が他にあるんで」と言い、S.Kだけ「別になじみの店とかはないな。。。」とつぶやいたために「おっ、じゃあお兄さんはうちに来てくれそうですね」と引っかかってしまいました。

しかし、どうにか「インスタあまりやってないんですよね」などとごまかしているうちに「お時間いただいてすみません! 楽しんでくださいねー」とその男の人は去っていきました。

真夜中の街を疾走!

晩御飯を食べると、公園の芝生に出没したゴキブリから逃げるように出発。

街の明かりがそこそこあったのでライトを暗くしてもよかったのですが、面倒だったので最大の800ルーメン(明るさの単位)のまま走行しました。

これが後で命取りになります。(別に命は取られてませんが笑)

時刻は22時過ぎ。

帰宅ラッシュもとうに過ぎ去り、街中は閑散としていました。僕たちは車道の上をすいすいと漕いで疾走。

「このままいくと、帰り着くのは早くても0時過ぎかなー」などと話しながら、徐々にスピードを上げていきました。

市街地を抜けると、急に真っ暗に。車道と歩道を分ける縁石が見えにくくなり、何度もタイヤをこすってこけそうになりました。

H.Tは、高速で漕いでいるときに車道から歩道に入ろうとして失敗し、こけて柵に激突。さらに後ろから飛ばしてきたS.KがH.Tとそのチャリに激突。

僕は少し後ろを進んでいたので、何とか巻き込まれずにすみました。

H.Tがこけたとき、足元に見覚えのある生き物がカサカサしていました。「あ、あのときのG!」・・・もしかしてついてきてた?

そのときは小さな事故に巻き込まれずに安心していた僕ですが、その後工事現場を通過したときに後輪がコーンに引っかかって何個かまとめて車道に飛ばしてしまいました。

僕自身もこけそうになり、慌てながらも車が来ていないことを確かめてからコーンを回収し、元の場所に。

そこで時間を食ったので他の2人との間隔が開きすぎてしまい、急いで飛ばしたところ、途中で待ってくれていた2人に気づかずに通り過ぎそうになったりもしました。

とにかく夜の道は危険がいっぱいです。

みんなと別れた後に訪れた恐怖

前原のあたりでそれぞれの帰路につき、「じゃあ、また今度」と別れました。

ところが、1人になった途端、急にライトが消灯。

「え? どういうこと?」と思い何度もつけ直しましたがそのうち完全に消えてしまいました。どうやら充電切れのようです。

愛用のライト。800ルーメンってけっこう明るいんですよ(公道を走る際に必要な明るさは200~300ルーメン以上です)

なぜ、今ここで切れるのか。

みんながいる時なら誰かの後ろにつけば、最悪ライトがなくても行けます。しかし、よりによってみんなと別れた後。。。。

市街地で不必要に明るい状態でライトを使い続けていたことと、前日にフル充電を行っていなかったことがこの事態の原因でした。

前原から僕が住んでいる志摩までの道は、これまで通ってきたどの道よりも暗いのです。むしろここから先でライトが必要だったのに・・・

僕は道の向こうから自転車や歩行者、そして車が飛ばしてこないことを祈りながら、闇の中を走り続けました。

時刻は0時ごろ。まさに、「ミッドナイト・ライディング」。

時間が時間ということもあって、幸い人通りが少なかったので事故を起こすことなく家に帰りつくことができました。

時計を見ると、0時20分。

思いつきで行ったにしては、かなりハードな旅でした。

おわりに

翌日には別の友人T.Kと能古島まで行く約束をしていたので、体力を回復させるためにも早く寝なければ、と思いシャワーを浴びた後すぐに布団に入って寝ました。

今度行くときは、ちゃんと映画を見るためにも事前に計画を立ててから行くようにしたいと思います。

それでも、無鉄砲に思いつきで動くことでしか体験できないことも世の中にはあると思うので、こういった「若気の至り」的な行動も大事にしていきたいです!

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